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JR九州/九州新幹線。わたしが失ったもの。

それはもう、一年ともう少しまえ。

そう、未曾有の苦しみが訪れた翌日のこと。
九州新幹線は全線開通を迎えたのでした。



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観るたび、涙がぽろぽろこぼれるCM。

わたしは生まれ故郷を無条件に愛している人間ではないのだけれど、
ここに込められた意味ーーたぶん、地方出身者だからこそより強く感じる、
世界に開けた意味を、温かい思いで噛みしめる。



わたしは、確実に3月11日に、
大きな大きなものを失ったのです。
それが何だったのか、一年と二カ月を経てようやく少し分かった気がします。


あまりに大きな怪我をすると
すぐには痛みを感じないように、
あまりに大きな衝撃が襲うと
すぐには痛みや違和感が訪れないようです。


あのときに壊れたものは何でしたか。


ダメージを見ない振りしているひとにこそ、
わたしは聞きたいのです。




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生存戦略

女の子とスタバでお茶をした。
ストレートのチャイティーを頼んだら、
チャイのはいったコップとは別に、小さなコップがついてきた。


「…………?」


という気持ちをひた隠しにして、

「東京ではこういうのにこなれた振りをするのが
生存戦略ってやつだよ…やだよやだよ」とつぶやきながら
席に戻り、小さなコップの使い道を考えました。




The カフェのイメージ写真


一瞬で神懸かりました。
おそらく、熱すぎるチャイを冷ますために
小さいコップに注いで飲むに違いない。
そうか、そのために…。

何たるホスピタリティ。




ちょっと感動し、
お喋りを楽しみながらチャイをいただいていたのですが、

途中からどんどん苦くなってきて
スタバでするまじき顔をしているぞ、と
おともだちに指摘される始末。



IMG_0280.jpg

The カフェのイメージ写真2


恐る恐るチャイの蓋をあけてみると、
そこには限界までふくれあがったティーバッグと
コーヒー色になったチャイが。


そうか…
小さいコップは、ティーバッグ入れだったのか…。


28歳となった今、
こういうことはとりたててすごくあれなことではないですが、
仮にわたしが今中学生で、
そのうえひとりでスタバに来ていたとしたら、
それは見事にもんどりうっていただろうなと思いました。



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与えること。お幸せに。

連休中、福岡にいる弟の結婚式があった。
三カ月前から飛行機の予約をして備えてきたのだけれど
前日になって、


「お姉ちゃん…
 食中毒で行けなくなったから」



という
世にも弟不幸な台詞を電話口で吐くことになってしまい、
たいへん心が参っております。


おお…弟よ…。
ウイルス性腸炎はほんとひどいですね。
危うく救急車呼ぶところでした。

(実際は、ほとんど物が考えられなくなった頭で#7119をプッシュし、
救急病院を教えてもらいました)








熱にうなされながら、夜中の三時頃に「電報を送ろう」と思いつく。
インターネットってすごいな。
なぜって、明日の11:00に福岡に届けなくてはならない電報を、
同日夜中の3:00に受け付けてくれるのだから。
(でも、そこで働く人のことを考えるととても複雑)


朦朧とした頭で、
文字数制限のある中、
印刷後のイメージがおかしくならないよう文言を考える。
敬愛するフロムの言葉を引用することにした。



IMG_0287.jpg


ご結婚おめでとうございます。


ドイツの社会心理学の研究者エーリッヒ・フロムは、
その著書『愛するということ』の中で
「与える」ことの重要性を説いています。


「自分自身を、自分のいちばん大切なものを、自分の生命を与えるのだ。
 (中略)自分の喜び、興味、理解、知識、ユーモア、悲しみなど、
 自分の中に息づいてるもののあらゆる表現を与えるのだ。
 もらうために与えるのではない。
 与えること自体がこのうえない喜びなのだ」


お二人が手を取り合い、
与える豊かさに満ちた道を歩まれますよう。



::::::::::::::::::::::::::::::::::


本日は出席が叶わず…は、
文字数の都合で入らなかったので司会の方に添えていただいた。


いま、愛の本質は何かと問われたら、
わたしはたぶん、与え、受け取ることだと答えると思う。
お幸せに。


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松井冬子展「世界中の子と友達になれる」ー暴力を喰らい尽くす

三月下旬。
滑り込むようにして、
横浜美術館の松井冬子展を観に行った。

見たくて見たくて、
四年も待っていた展覧会だった。



RIMG3914.jpg


ふとテレビをつけると、
彫刻のような美女がモード系の服に身をつつんで
床に伏すようにして絵を描いていた。

一瞬、モデルのおしゃれな生活特集かな…と思ったのだけど、
瞳にはひとつのものに吸い込まれていく人の集中力が満ちていて、
描く絵にもその緊張感がめぐらされていて、
この人はただものじゃないぞと
テレビ画面の前で座り直したのを覚えている。

もちろんそれが松井冬子氏だった。



RIMG3916.jpg


松井さんは番組中、「暴力」について語っていた。(というか、触れた)
「作品を見た男のひとから『嫌だな』と言われると、
やった、と思う」という風に語っていた氏が言うからには
個人的な体験のみを指すのではなくて女性ジェンダーの痛み、
に集約される意味の暴力だと思う。


キム・イソルという小説家がいて、
彼女は非常に痛々しい、
女性が徹底的に暴力に打ちのめされる話を書く人なのだけれど、
松井冬子作品でも女性の肉体が傷ついた形で表現される。


松井氏の作品には
暴力を静かに浴び尽くした女性の肉体が、
振るわれた暴力の余韻を喰らい尽くしてほくそ笑むような
すごみがあって、その静謐さに息を飲む。


痛みで、自分を包み込む世界を再構築するような、
内のものを外に転写して世界を把握するようなあの感覚を、
毎月の重く鈍い感覚が伴奏する。
痛みによって捉え直される世界。


お辞儀するような気持ちで、
美術館をあとにした。



RIMG3920.jpg

カフェで、あたたかいお茶と甘いケーキをいただいて帰った。
長い長いためいきをつく。

根詰めすぎていた三カ月が終わったので、
しばらくゆっくりしようと思う。
また深い海に潜れるように。



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孤独について(将棋がたのしい)

最近、将棋をはじめました。

まだ何にも分かっていない状態なのですが、
将棋めちゃくちゃおもしろい!!


ものすごく集中すると、
脳ががんがんブドウ糖を消費していく感じが
分かります。


将棋



もはや一日四時間ほどを将棋に費やす日々を送っており、
このままだと
将棋どころか人生が詰みそうな気もします…



::::::::::::::::::::::::::::::::



目に見えない宇宙の「律」のような糸が張り巡らされていて、
それを「正しく」紡いでいくことが
勝利となるのだなというのが、
鳥肌が立つほどひしひしと感じられるときがあって、


ああ、この感じ、
知っているなと思いました。


どんなにたくさんの優しい人たちに囲まれていても、
何かを究めにいく際には必ず孤独と対峙する。


そして、孤独は悪いことではないのですね。


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